NTMRの数学メモ

数学について調べたことを書きます。高校数学に毛が生えた内容。

「二胞角」ってある?

 先にことわっておくと、今回の内容は重大な誤りを含んでる、または無意味な内容である恐れがあります。今回の内容に大きく関連する次の記事についても、同様である恐れがあります。

natsu1014-brog.hatenablog.com

 

 さて、前回、二面角という概念を使って、存在し得る4次元正多胞体の種類を絞り込むということをしました。それで今回は、5次元正多胞体の種類も絞り込めないかなと考え、考察することにしました。

 それで、正多面体のときは二辺のなす角、4次元正多胞体のときは二面のなす角を使ったなら、5次元正多胞体のときは二胞のなす角かな?と考え、二胞角という概念を考えました。二胞角は次のように定義することにします。

2つの空間の法線ベクトルのなす角の大きさ。 

  しかし、二面角のときは外積により法線ベクトルを求めることができましたが、外積というのは3次元用に定義されたものです。さて困りました。

 そこで、冒頭にリンクを張りましたが、過去に n 次元で使えるように拡張した外積を考察していました。それを使って胞の法線ベクトルを求め、二胞角を計算してみました。煩雑になったので計算過程は省略し、一部の結果だけ書いています。

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 約75°となりましたが、これは2倍、3倍しても360°未満だが、4倍すると360°を超えてしまう角度です。つまり、3種類しかない5次元多胞体の2つは、正五面体から構成されていそうです(英語版のWikipediaを除いたところ、実際そのようです)。

 残り一つは恐らく3次元における正方体である正八胞体の正統進化です。計算はしてないですが、きっと正八胞体の二胞角は90°でしょう。
 他の正多胞体については、大変だったので今回は諦めました。ですが、正五胞体や正八胞体の次に一番あり得そうな正十六胞体は正四角形→正八面体の系列らしく、それらの「角」は 90° → 109.47° と大きくなってるので、正十六胞体では 120° を超えているんじゃないかと予想しています。

[補足(21/02/22)] ちょうど120°でした。

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 ちなみに正五胞体の二胞角は arccos(1/4) でしたが、前回求めた正四面体の二面角は arccos(1/3) でした。さらに言うと正三角形の角は 60° すなわち arccos(1/2) です。つまり、正三角形→正四面体→正五胞体の系列(単体と呼ぶそうです)は n 次元において n-1 次元多胞体どうしのなす角が arccos(1/n) になるんじゃないかと想像しています。実際、それで n がいくら大きくなっても 90° 未満で、2種類の n+1 次元多胞体の構成要素となり得ます。ですから、案外あり得ない話じゃないんじゃないかと考えています。

 

 さて、これで終わりですが、今回なぜ珍しく冒頭に曖昧さの警告を書いたかというと、リンク先で拡張した外積の性質として書いた「n 次元の外積においても、その大きさは n-1 個のベクトルが張る多胞体の体積に等しい」が、今回計算した中で確認できなかったからです。ですので、拡張された外積の信頼性が怪しいと感じています。もし原因が分かれば改めて更新しようと思います(しばらく線形代数に触れないうちに、すっかり忘れてしまったので、いつになるか分かりませんが…)。 [訂正(21/02/24)] 計算し直したら体積に一致しました。ただし、リンク先の内容の再確認はできていません。

 一応、外積として求めたベクトルが法線ベクトルとなっていることは確認できたので、二胞角自体は正しいと考えています。が、そもそも二胞角って何やねんって感じなので、今後そちらの考察もできたらいいなと考えています。

 少しは調べてから書いたつもりですが、あまり役に立つ情報が得られなかったので、半ば僕の妄想のようなものかもしれません。何かご指摘や情報があればコメントをよろしくお願いします。ではまた~。

 

[補足(21/02/22)] 調べたところ、すべての正多胞体の二胞角を載せて下さっているサイトが見つかりました。

正多面体の二面角(その3) (sakura.ne.jp)

どうやら正五胞体の二胞角も、n 次元単体の二胞角についての予想も正しかったようです。また、正十六胞体の多胞体はまさに120°で、5次元多胞体を作れないギリギリでした笑。他の角度は敢えて載せることはしないので、気になる方はこちらのサイトを読んでみてください。