第一同型定理の証明と第二、第三同型定理の紹介
過去の記事で、後日改めて同型定理についてまとめると言いつつ放置していましたが、時間的に余裕ができたので整理しました。なお、各同型定理は本来、複数の主張を含んでいますが、独断で一部の主張だけ紹介します。
まず、第一同型定理は次のような主張になります。
第二、第三同型定理は紹介までに留めますが、これは証明します。ただし、なるべく定義から証明するようにはしていますが、部分群であるための必要十分条件や準同型写像が単射であるための必要十分条件など証明せず使うところもあります。
そもそも と が群でないといけないので、このことを証明します。
最後に、これらが同型であること、すなわち から への同型写像が存在することを証明します。
一応参考書を読みながらではありますが、代数学の証明を書くのはほぼ初めてなので、もしかすると間違えているところもあるかもしれません。ご容赦ください。
第一同型定理の主張を日本語で書くと「 から への写像が存在して、 をその写像の核で割ったものはその写像の像と同型である」となります。
続いて、第二同型定理と第三同型定理の紹介をします。
これらは、第一同型定理をうまく使うことで証明できるみたいです。
第二同型定理は は「部分群 の元と 正規部分群 の元の積全体を で割ったもの」であり、 は「部分群 を と正規部分群 の共通部分で割ったもの」であり、これらが同型であるということを言っています。
一応補足すると、 は と を含む群になります。恐らくイメージ的には、 による の割り方を を 、 を へと拡大した感じになるのだと思います。
次に第三同型定理は は の両方で割れるわけですが、 を のスケールで分割(表現が難しい…)すると に一致する感じだと思います。形式上、なんだか分数みたいで面白いですね。
一般的に準同型定理と呼ばれるのは第一同型定理のようですが、どうして同型定理は3つ存在するのか考えてみて、群の2つの部分群の包含関係によって3つに分けられているのではないかと思いました。第一は共通部分が空集合、第二は共通部分があるが一方が他方を含まない、第三は一方が他方を含む。それで、それぞれ正規部分群が不要、少なくとも一方、両方のとき、同型な2つの群を見つけることができる、という感じかなと思いました。素人の考えなので、まったく的外れかもしれませんが…。
今回はこの辺りで。ではまた。