NTMRの数学メモ

数学について調べたことを書きます。高校数学に毛が生えた内容。

行列のn乗に関する実用性のない一般化(とおまけ)

最近、行列の勉強を始めました。
といっても、ヨビノリさんの連続講義を一通り見ただけですが…笑
あとは一応、薄い本ではありますが、インデックス出版から発行されているコンパクトシリーズの線形代数編を読んでいます。まだ復習の段階ですが、早くジョルダン標準形を学びたいです(詳しい人がいたら教えてください!)。

ということで、今回は行列に関する問題を扱っていくのですが、中心となるのは正攻法でない、かつ正攻法より面倒くさい解法です。
まず、問題と正攻法(解法1)をご覧ください。
常微分方程式?なんのことだ)

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恥ずかしいことに、ケーリー・ハミルトンの定理を知らなかった(忘れていた?)ので、僕はこの解法を思いつきませんでした。
しかし恐らくケーリー・ハミルトンの定理を知っていたとしても、三段目でA+Iをかけるという発想には至らなかったでしょう。
ただし予想ですが、このような変形はケーリー・ハミルトンの定理を扱う問題ではよく見られ、x³+1=(x+1)(x²-x+1)から発想を得ているのだろうと思います(違ったら恥ずかしいな)。

まあ、正攻法はいいとして、次は非正攻法(解法2)をご覧ください。

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面倒くさいなあ、という感じですが一応結果がでます。
ですが面白いのは、はじめはA²⁰²⁰だったのがA¹⁰,A⁴と指数が小さくなっていくのですが、10は2020を4進数表記したときの各位の和、4は10を4進法表記したときの各位の和という関係になっているのです。

話は脱線しますが、過去にTwitterのフォロワーさんの刺激を受け、n!をpで割り切れる回数(v(n)とする)について考察していたことがあるのですが、そのときにも同様に各位の和が活躍しました。
ブログには書いていなかったようなので、気になる方はWikipediaの「ルジャンドルの公式」の項目をご覧ください。
ちなみにそのサイトに書いてない事項としては、n→∞のときn/v_(n)→p-1ということも自力で証明しました(間違っていたらごめんなさい)。
これは言い換えれば、十分にnが大きいときv(n)≒(p-1)nということです、多分。

話を戻します。
今回の問題は公式を知っていれば容易にA³=-Iが示せるため、この解法は明らかに不適切でしょう。
しかし、各位の和との再会に感動した僕は、この解法の方針でA^m=iAのときのA^nを一般化しました。

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文字の置き方がかなり雑なので、途中で間違っていたらすいません(誰かチェックして下せえ…)。

こんな公式、多分ネットでいくら調べても真面目に扱っているサイトは見つけられないだろうから、間違いがないか確認できませんが、m=nの場合と[問]の場合に答えが一致することは代入して確認しました。思った以上にシンプルな形になったことに驚いています。
ただ、証明を終えてから気づいたのですが、「A^m=iA^m'のとき」とした方が実用性があったのでは?
行列のことをまだよく把握できていませんが、「A^m=iA^m'(m≧m')⇒A^(m-m')=iA」は偽ですよね?

よく分からないですけど、A²=AでもA≠Iとなる行列A(べき等行列)もありますし。

もしそれでもシンプルな形になるようなら、また今度、ブログにするかもです。

ちなみに、このm進法を用いた解法は条件さえ揃えば、他の問題でも使えます。

以下は鈴木貫太郎さんがYouTubeで解説なさっていた問題です。
正攻法(解法1)はその動画を見て下さい(下にURLを貼っておきます)。

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多分、正攻法と本質的には同じです。
それに省略できる部分も敢えて丁寧に変形しているので、実際に計算するときはもっと楽かと…。
でも、この解法、ずっと前に紹介したいと思ったけれど他人の問題を勝手に使うのに抵抗があり、問題を自作しようとしたのですが全然いい問題が作れなかったので、お蔵入りになっていました。
多分、使える場面は二度と来ないでしょう。
流石にダルいので、こちらの一般化はしません。

 

最後に鈴木さんの動画のURLを貼って終わりにします。ばーい

2020整数問題 https://www.youtube.com/watch?v=qfW3Mw8jcmk