NTMRの数学メモ

数学について調べたことを書きます。高校数学に毛が生えた内容。

外積の拡張と行列式

 東大出版会線形代数入門をようやく読み始めました。まだ第一章を読み終えたばかりですが、気になったことがあったのでブログを書き始めました。
 今回のテーマはタイトルの通り、外積行列式です。まず、行列式について簡単に説明します。

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 一般のnに対する行列式を求める公式は、まだブログの中では紹介も証明もしていませんでしたが、有名なのでここでは認めてください。行列式の本来の定義は過去に扱っていますので、そちらを読むか各自ggって下さい。

natsu1014-brog.hatenablog.com

 次に内積外積の定義です。これらも本来の定義とは離れてしまいますが、計算方法だけ紹介します。

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 一番最後の行に書いてある|A|=〈[a,b],c〉が私がこの記事を書こうと思ったきっかけでした。つまり、外積を多次元に拡張することで、外積内積によって行列式を表せないかと思ったわけです。
 そして拡張した結果がこれです。

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 三次元を参考に各成分となる行列式を定めたわけですが、それぞれにsgn(n,k)が掛けられています。これは上で示した外積の性質を満たしてほしいからつけたものです。実はここはよく分からなかったのでWikipediaを参考にしました。

クロス積 - Wikipedia

  n=2,4の場合について、実際に計算してみましょう。

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 n=2については満たしてほしい性質を満たしてくれました。また、n=4については満たしてほしい性質の一方は示しました。もう一方については予想としましたが、本音としては疲れただけです。気が向いたら証明します。
 [補足(20/08/09)] 証明しました。

natsu1014-brog.hatenablog.com

 ここまで書いて今更、僕はsgnなんていらないということに気づきました。冒頭に余因子という言葉が登場しましたが、これを使えば簡単に表せたのです。(自然な拡張、という意味で敢えて修正しませんでした。外積の求め方がどう与えられるかにもよるでしょうが…)

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 この赤字の部分のように多次元での外積を定義すれば、|A|=〈[a₁,a₂,…,a_n-1],a_n〉が成り立つことは公式から分かりますし、外積の垂直についての性質も満たしてくれることが分かります。体積についての性質についてはやはり予想としています。なんだか難しそうに感じますが、僕でも証明できるんかな。

 今回の内容を面白いと思うかどうかは人によるように感じますね。僕もまだよく分からないでいます。仮に体積についての予想が真で、それを証明することができれば、外積と余因子展開の関連性があって面白いかな?まあ、もともと外積の求め方を行列式で与えてる時点で察する人も多いでしょうが。

 今回はこんな感じで終わります。書きながら大分疲れたので、雑なところも多いかったかもしれません。ごめんなさい。ではではー。