オイラーのφ関数の公式
オイラー関数の公式を証明したことなかったなと思ったので、証明します。多分あってると思うけど、間違ってたらすみません。
これは次のように証明します。
残りは簡単です。
これは次のように証明します。
これらを合わせると次のことが分かります。簡単なので証明は省略します。
これで終わりですが、蛇足程度に は 予想で登場する を使うと次のように表すこともできます(は上記のです)。証明は省略します。
この表現自体はどうでもいいのですが、右辺の は具体的に
となりますね。それだけです。ではまた。
積分による対数関数の定義(1)
ガンマ関数やベータ関数などの関数は積分で定義されることは有名ですが、Twitterで( を底とする)対数関数も積分により定義され、指数関数はその逆関数として定義されることがあるという話を見かけたので、それについて少し考えてみようと思います。
まず、基本的な指数関数・対数関数の定義は正の実数 に対して を指数関数と定義し、その逆関数 を対数関数と定義します。ただここでネックなのは実数全体、特に無理数の に対して の定義を与えないといけないことです。これは、例えば は数列 の極限として定義されます。大して難しい話ではないでしょうが、そこが少し面倒かもしれません。
一方、積分による定義を用いれば を底とする対数関数 は単に と定義できます。対数関数の性質
は次のように証明できます( は正の実数)。
【】
【】
を底とする指数関数 はその逆関数として定義される、つまり が成り立ちます。指数関数の性質
は次のように証明されます( は正の実数)。
【[tex: (3) の証明】
【tex: (4) の証明】
φ(n)σ(n)の不等式
Wikipediaのオイラーのφ関数のサイト(オイラーのφ関数 - Wikipedia)に という不等式があり、面白いと思ったので証明してみました。証明してるサイトが見つからなかったので、誤りがあったらすみません。
なお、最後の方で以下のことを使いました。
というわけですが、何とかして の範囲を の式で表せないですかね。調べるか思いつくかしたらまた更新します。ではまた。
n! と mCn を素数 p で割り切れる回数(改訂版)
かなり初期に や を素数 で割り切れる回数について書いたのですが、かなり気に入ってるのでもう少し読みやすくできないかと思い、改めて紹介します。以下のことは認めることにしてください。
ある自然数 が存在して
を満たす。
さて、上の n について を素数 で割り切れる回数 を求めるには、 を でそれぞれ割った商の総和を求めればよかったです。これを式で表すと次のようになります。
しかし、このままでは の計算ができないので、 を何とか床関数を使わずに表せないか考えます。ここで が役立ちます。
ここで より であり、また、 よりこれは整数であるから、
したがって、
であるから、 を 進法表記したときの各位の数の和を とおくと、
これをルジャンドルの定理といいます。さらに、これを使うことで を で割った余りを考えることができます。 より、
ここで と を 進法表記して足し算した時、繰り上がりした回数を 回とすると、 となるので、
すなわち、 を素数 で割り切れる回数は、 と を 進法表記して足し算した時、繰り上がりした回数に等しい。これをクンマーの定理といいます。
関数について
関数についてとりとめのないことをアレコレ考えて、何となくブログを書きたくなったので大した内容ではないですが書きなぐろうかと思います。
関数の分類の話
初めはある程度テーマを絞ろうと思い、関数の分類を整理するブログを書いていたのですが、思った以上に難しかったので断念しました。ただ、初等関数と呼ばれる関数のグループには の形で表される冪関数と、指数関数、対数関数、三角関数、逆三角関数を指す初等超越関数があり、それらの有限回の和、差、積、商、冪により表される関数全体を初等関数をいうようで。
何が言いたいかというと、高校で扱うような指数関数、対数関数、三角関数、そしてそれらの派生である逆三角関数、双曲線関数、逆双曲線関数ってどれもキレイに繋がっています。それらがひっくるめて初等超越関数というカテゴリに入れられていて、なんかスッキリしたという話です。どうでもいいですね 笑
ちなみに、特殊関数という分類もあって、僕は勘違いしていたのですが、これらは別に初等関数を含まないわけではないようです。ちなみに過去に紹介した特殊関数には、 の逆関数であるランベルトのW関数 、階乗の拡張であるガンマ関数 、素数計数関数の近似となる対数積分 があります。
逆三角関数の表記の話
逆三角関数の表記には主に2種類あります。それは のように を添える方法と のように をつける方法です。どちらを採用するかは個人の好みでしょうが、恐らく「 乗と混同しないか」と「書きやすさ」が大きな決め手となっています(勿論、他にも持っている教科書がどちらを採用してるか、というのもあるでしょうが)。
ですが、僕が先日買った教科書には という表記が採用されていました。この表記自体は「逆関数であることを強調するために の頭文字を大文字にする」という説明とともに紹介されているのを見たことがあったのですが、この教科書は理由が異なりました。何かというと「 を満たす は無数に存在するので、そのうち主値をとるものという意味を込めて頭文字を大文字にする」というものでした。これは と の違いのようで、すごくスッキリしました。
Wikipedia では「頭文字を大文字にするのは主値を表すときに使うので~」と否定的だったので、受け入れられない人もいるようですが、少なくとも僕はこの表記を積極的に使いたいと思いました。
指数関数の表記
指数関数 は別の表記で と表されることがあります。ところで、 を底とする対数は と表されますが、特に数学では自然対数は単に と表されます。
では逆に、 を底とする指数関数は と表されないのか?と考え、調べてみると実際にありました。たとえば となります。
ここからさらに想像を広げると に対して という表記は作れないか?と考えました。もしこれを採用すれば、高校でたまによく見る は と表せるようになります。それで、気になって早速調べてみました。その結果、流石に見つかりませんでした 笑
指数関数や対数関数は兎も角、それらの派生と言える三角関数や双曲線関数の底を変えるというのは、実用性がないただの数字遊びでしょうから、このような表記がないのは当然かも知れません。