三角関数の複素数への拡張
三角関数は初め、直角三角形による定義で学んだと思います。そのときは定義域が0<θ<π/2でした。しかし、単位円による定義を行うことで、定義域を実数全体に拡張できます。
では、次は定義域を複素数全体に拡張できないでしょうか?
ということで、今回のテーマはこちら!
カギとなるのは級数による定義です。
z=x+iyとおいて加法定理を用いることで、純虚数iyに対する三角関数を考えればよくなります。
さらに指数関数と三角関数をマクローリン展開します。今はまだ理由が分からないかもしれませんが、すぐに分かります。
ちなみにオイラーの公式にθ=πを代入し、移項することで得られる等式
e^iπ+1=0
はオイラーの等式と呼ばれ、数学上で重要な5つの定数e,i,π,1,0の関係性を簡潔な式で表した、数学上で最も美しい式とされています。
さて、次へ進みます。
双曲線関数の名前は、媒介変数表示x=cosh(t),y=sinh(t)が双曲線x²-y²=1を表すことに由来します。一方、三角関数を用いた媒介変数表示が円を表すことから、三角関数を円関数と呼ぶこともあるそうです。
円関数については実際に聞いたことはないので、この呼び方をする人は恐らく、円周率πの代わりτ=2πを使う人なみの希少種だと思います。ちなみに何故τを使うかと言うと、円の円周と面積をτr,(1/2)τr²と表すことができるし、円の一周の角度がτになって扱い安いということみたいです。確かに直径を基準にした円周率πは少し気持ち悪い感じはします。
ただし有名な三つの等式(一つ目は上で触れましたが)、
e^iπ+1=0, (-1/2)!=√π, ζ(2)=π²/6
はπの代わりにτを用いると,
e^iτ=1, (-1/2)!=√(τ/2), ζ(2)=2τ²/3
と悪くはないけど少し物足りない感じになります。やっぱりπがいいかも。πは読み方的に男子中学生たちに夢を与えますし。
話を元に戻します。ここまで来たら、もう少しです。
完了!意外にきれいな形です!!
せっかくなので、もう一度書いておきます。
今回の内容は高校生のときに気になって調べたものです。これを知ってから暫くは授業中にノートの端に書いたり、友達に教えたりしていた気がします。懐かしい。
それに、この一連の流れはマクローリン展開、オイラーの公式、双曲線関数と多くのものを教えてくれました。数学は素朴な疑問が新たな知識に繋がっていくんだなって思います。
いま線形代数学について簡単に勉強しています。正直、めちゃくちゃ面白いって感じではありませんが、かなり普遍的な性質を持っていると聞きますし、これから面白くなっていくことを期待します。
ではまた~。