NTMRの数学メモ

数学について調べたことを書きます。高校数学に毛が生えた内容。

巨大な数を割る話※未証明

 気がつくともう午後9時を過ぎ、こんな記事を書いている場合ではないのかも知れないが、数学は僕の一部って感じなので、こんな時間でも記事を書き始めます。

 

 今回は2021 ↑² 2021を99で割った余りを求めていきます。

 恐らく「↑²ってなんだよ?」って思う方がほとんどでしょう。ですから、まずはこちらをご覧ください。

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 初回の記事で少しだけ触れたテトレーションです。こういう風に定義されていたんですね。これは足し算を繰り返すと掛け算に、掛け算を繰り返すと累乗になるように、累乗を繰り返すとテトレーションになるという発想ですね。ちなみにテトレーションを繰り返すとペンテーション、ペンテーションを繰り返すとヘキテーション、・・・といった風にいくらでも進化させることができます。

 ハイパー演算というのはそうして生まれた演算の総称です。足し算が1番目、掛け算が2番目、累乗が3番目、そしてテトレーションが4番目です。

 そして次に紹介されているのがクヌースの矢印表記です。これは紹介されているだけではあまり意味がなく、「矢印が1本の場合」と書いていますが、実際は何本にでも増やすことができます。a↑↑bとかa↑↑↑bとか、もっと思い切ってa↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑bといった感じですね。実際には、こんなにたくさんの矢印を書くのは大変ですし、途中で何本書いたか分からなくなりそうなので、上矢印の右上に数字を添えてa↑²bとかa↑³bとかa↑⁴⁶bといった感じで表記します。今回ではクヌースの矢印表記についてそこまで触れませんが、a↑↑bがテトレーションを表します。bがaの左上に乗っかった状態です。

 

 さて、では「↑²」の意味が分かったところで、今回の問題をもう一度見てみましょう。

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 ↑²どこいったんだよ!!!という声が聞こえてきそうですね。(漫画「日常」懐かしいです。小学生のとき大好きでした。)これは完全に僕のミスです。記事の構成を全く考えていないのがバレバレですね。まあ、おいおいクヌースの矢印表記についてまとめることもあるでしょうし、そのときのための予習だと思って許してください。

 それで、テトレーションの(↑²でない方の)表記を知った今、この数字のヤバさが分かりますよね?2021上に2021が2021個連なっているのが想像できますか・・・?考えるだけで恐ろしいです。これが巨大数です。(実は巨大数の中ではコイツも最弱レベルというのはまた別のお話)

 

 でも大丈夫です。これからこの問題を解いていきます。そのためにこのような武器を用意してあります。

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 おっす、オイラー先生。オイラーの定理ってこんなのだっけ?たしか多面体がどうとか。

 はい、それもオイラーの定理です(「オイラーの多面体定理」と呼ばれることも多いかも知れません)。他にもオイラーの定理と呼ばれるものはありますが、今回のオイラーの定理はこちらです。(オイラーゲシュタルト崩壊しそう・・・笑)

 見慣れないかもしれない関数と定理ですが、これらの証明は今回は省略します。証明はいつかするかもしれませんし、しないかもしれません。正直、ググった方が早いと思います。

 

 それで、これらがどのようにあの化け物と戦うのに役立つかというと、次のことを証明します。

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 これだけだと分かりづらい方も多いと思うので、次の補足も読んで下さい。

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 分かっていただけたでしょうか?これはどこかに載っていたわけでなく、オイラーの定理を見て僕が考えた等式です。ただ、実はまだ証明しておりません。そのため記事を書いている今、この等式の誤りに気づきました。より正確には、条件が足りていませんね。どこの部分か分かりますか?恐らく「任意のkに対してφ^(k)(n)とmが互いに素」という条件が必要です。もしこの条件さえ加えて成り立つのであれば、証明はそこまで難しくないはずです。

 それでは、この等式を使ってあの問題を解いてみます!

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 解けました!WolframAlphaで簡易的にチェックしましたが、恐らく答えは正しいと思われます。途中の計算は本題ではないので省略しました。実際に解くときは各自で頑張ってください。

 ちなみに計算過程では、60と16が2021と互いに素であることを言っておく必要があるはずです。ただ、この問題においてはそれが問題で答えが狂うことはほぼないと思われます。なぜならば、2021を素因数分解すると2021=43×47だからです(高校の友人がこれを短時間で素因数分解に成功するというエピソードはまたいつか・・・)。素因数を2つしかもたない2021という数字は、この問題と相性が最高ですね!

 

 蛇足ですが、これも記事を書いている最中にですが、別の解法に気づいてしまったかもしれません。それも、かなり普通の一般的な解法に近く、今回の記事が無意味になってしまうかもしれないレベルの・・・。まあ、でも、数学は正しくさえあれば、どんな解法でもALL OKですから、ここまでの過程が無駄ということはないはずです!

 とりあえず、明日には上で紹介した等式を証明して、記事にまとめたいと思います。今回の例題で正しい答えが(多分)出たということは、恐らく根本的な間違いはないはずです。例の別解というものも、もし正しければ次回の記事のオマケにするかもしれません。

 

 今回は以上です。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。それではノシ書き終えるのに一時間かかってしまった・・・

 

【追記(2020/05/20)】

参考にしたWikipediaのページを貼るのを忘れていました。主に以下の二つのページを参考にしました。

オイラーの定理 (数論) - Wikipedia

オイラーのφ関数 - Wikipedia